公図と地積測量図

土地建物を調べるためには公図(地図に準ずる図面)または、地図は欠かせません。また土地の詳細な区画形状の確認には地積測量図の有無が影響します。ここでは、公図と地積測量図について、ご紹介します。

公図は租税のための土地台帳付属地図でした

公図は明治初期に租税徴収のために土地調査を行い、村の字(あざ)単位に作成されたものです。後に土地台帳付属地図と呼ばれるようになりました。江戸期の村絵図の技術も踏襲され、和紙製本で、道路は赤、水路は青に彩色されて、位置関係が分かりやすいものでした。以来、分筆や合筆の結果がこの図面に反映さられて来ました。

昭和25年に土地台帳が租税と切離され、、税務署から法務局に移管された土地台帳付属地図は公図となりました。昭和40年代には、マイラーと呼ばれる丈夫な透明フィルムに再製されましたが、彩色がなくなり、線図だけとなりました。今では電子化されています。

公図は当時の測量技術で作成されているため、隣地との境界線の位置、形状等はかなり正確ですが、距離や地積(面積)は厳密ではないとされています。これに対して、地図と呼ばれる精度の高い図面が、区画整理事業や14条地図作成事業などで作成されていますが、整備状況は遅遅としたものです。

地積測量図は分筆時に作成される測量図

一筆単位に作成される地積測量図は昭和30年代後半から作成されましたが、昭和52年頃以前に作成されたものは現地測量をしていないものもあり、精度が低いと言われます。昭和53年以降は測量器械の進歩と、境界標を測量図上でも明示することになり精度は向上しました。平成5年以降は境界標がなければ近傍の恒久的な地物との位置関係を記載することとなり、さらに平成17年以降は分筆時には全筆調査測量が義務付けられ、境界点の座標値も記載することになって、地積測量図の信頼性は大きく向上しています。

なお、地積測量図は分筆登記や地積更正登記を申請する際に提出するもので、残念ながら、すべての土地に備えられているものではありません。

住居表示でなく、所在・地番で表示されています

公図や登記簿などでは、土地は所在と地番で特定され、いわゆる住居表示とは異なりますので注意が必要です。登記簿が手元になくて地番が分からない場合は、法務局に照会すると教えてもらえます。

当事務所は神奈川県平塚市にある土地家屋調査士事務所です。平塚市・茅ヶ崎市・藤沢市など、神奈川・湘南エリアを土地測量・登記の主な営業エリアとしております。境界確定測量分筆登記、建物表題登記などをご検討でしたら、ご気軽にご相談ください。


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